森の小さな真珠 ― 2007/08/15 23:31
もちろん本物の真珠ではありません。この画像を見て何かわかる人はそう多くはいないでしょう。これは直径1mmほどの小さなミヤマカラスアゲハの卵です。昨年羽化させることができなかったミヤマカラスアゲハの羽化に再挑戦すべく、卵を入手しました。と書くのは簡単なのですが、この卵の入手には一苦労がありました。
まずはミヤマカラスアゲハの食草であり、産卵させるキハダの入手。キハダは山にごく普通に自生していますが、山で目にするキハダは大木が多く、簡単には持ち帰ることができません。かといって園芸店では普通は販売されてもいません。そこで、キハダを販売している業者をインターネットで探し出し苗を10本ほど購入しました。昨年9月のことです。
次はそのキハダに卵を産み付けてもらうわけですが、これがまた簡単ではないのです。ナミアゲハならキハダを外に出しておくだけで飛来してきて簡単に卵を産み付けてくれるのですが、ミヤマカラスアゲハは通常は木の高いところに卵を産みますので、1m足らずの低木には産み付けてくれません。
そこでミヤマカラスアゲハのメスを捕まえてきて、鉢植えのキハダに産卵させる作戦をとります。ミヤマカラスアゲハの捕獲は、先週の墓参りの時、久しぶりに虫網を持って昆虫採集に夢中になり汗だくになってやってきました。街中ではあまり見かけないミヤマカラスアゲハですが、少し山へ入ると簡単に見つけることができます。
ミヤマカラスアゲハをキハダに留まらせただけでは産卵してはくれません。ちょっとしたコツが必要ですが、そこは普段からアゲハを観察していますから、試行錯誤の後、汗だくになりながら無事に産卵させることができました。
こんな苦労があったからこそ、まさに「真珠」なのです。さて、肝心のミヤマカラスアゲハの美しい成虫の姿ですが、そのお披露目はまだまだ先、おそらく来年の6月頃になります・・・・が、それまで待てない方はチラッとこちらをご覧下さい。
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